「企業を高めるブランド戦略」★★★☆☆

経緯:同期sumo wrestler Kが読んでた


とても整理されていて読みやすかった。端的にブランド論を捉えるにはいい本なんではないかと思いました。読みにくいところもないし、私のように経済とかマーケとかのバックグランドのない人間でも理解しやすい。


企業の(と限定をする必要も特にないんだけども)ブランドを考える際に、どういう側面から考えていけばいいのか、という一つの指針となるような考え方がシンプルなマトリックスや整理された項目によって書かれているので、実生活にも使えると思う。

おもしろいなあと思ったのが、企業やブランドがその時にいるステージによって価格orientedな戦略をとる場合もあり、必ずしもそれが間違いではないという考え方。今の考え方は一時期より落ち着いてると思うけど、ちょっと前に猫も杓子もブランドを高めることによって高く売るぞーみたいな風潮の時があったけど、モノ戦略ステージ(そのブランドの成熟の)によってはそれだけが答えではないんだな、と。

となると難しいのはその戦略転換だな、と思うんだけど、たとえば安売りをウリとしてた商品が戦略によりブランドを高めていくことになったりするわけで。その時に、安売り時のイメージって負の遺産になってしまう気がするので、うまくやる必要があるよなーと。

印象に残ってるのが「無印良品」の話で、最初あれは「梱包とか簡素化したのでやすくなりましたよ」という戦略で西武デパートの下部ブランドだったのが、一つのブランドとして確立され、今や正直私は適正価格ではないと思うくらいイイ値で売れてるわけで。この事例を知って思ったのは、

  • 最初の状態の無印が、こんな可能性があると見抜いた人ってすごく先見の明があるなあ
  • デザインの力ってすごいなあ(と改めて認識)

ということですかね。


ブランドってなんなんでしょうね、ほんとに。

最近、デザインの力っていうものをすごく感じます。前に読んだ『スープで、いきます』で遠山さんもデザインをすごく重視してたけど、やっぱりそういう見た目で受ける印象とか感情の影響って大きいと思う。大事だなあと思う。

だから、そういうデザインを作れるセンスのある人(会社にもたくさんいるけど)を心から尊敬するし、そういう力のある人と一緒に仕事して「コイツセンスなくて話にならん」と思われないように、自分なりに自分のセンスを磨かんといかんなあ、と思う。