春の風、春の歌、春のにおい
友人Iとその赤ちゃんS(9ヶ月)と会う約束をしていたが、
春の風に誘われて公園でプチピクニックにすることにした。
緑鮮やかな芝生を見渡す、陽射しが心地よいベンチに座って、
小さい子どもたちや犬が体中から喜びをはじけさせながら
駆け回っているのを見ていた。
うれしい!たのしい!という思いが、あたたかい春の空に
ぱぁっと広がってまぶしさを放っていた。
まだ「うー」と「だぁ」で話す赤ちゃんも、うーうーだぁだぁ
と言いながら小さな白い歯が覗く口元をほころばせてにこにこと笑っていた。
小さな体を揺らして、腕を力いっぱい振りながら、
その小さい手に春をめいっぱいつかみとろうとしているみたいだった。
夕方。
友人宅でのパーティーの準備のために笹塚の駅に降りた。
駅前の花屋の店先で桜の枝を見つけて、
春を一緒に持って行けるような気がして抱えて道を急いだ。
鼻腔をくすぐる、春のかおり。
友人宅のパーティーは、いつもながら自分より年下の人から
年上の人まで、いろいろな分野を知る人があまた集まり盛況だった。
まだ頭が整理できていない、が、この2週間くらい考えていることと
どこかでつながっていることのヒントをもらったり、
インスパイアされたり、純粋にこの人面白い!もっと話したい!と
思ったり。幸せな混乱状態に、いまもいる。
このパーティーで、
友人たちが素敵なサプライズを用意してくれていた。
23時頃。
突然明かりが消え、
次の瞬間。
♪ハッピー バースデー トゥー ユー
バースデーソングが始まった。
バースデーケーキとともに、ハッピーバースデーの大合唱。
あんなに楽しい、うれしいことはなかった。
素敵な友人たちと、一緒にお祝いをしてくれた人たちにありったけの感謝をこめて。
あと10日ほどで、27歳。
なにかの始まりの予感がして走り出したい衝動がこみ上げてくる、
この季節のさわやかな陽気に身を任せて突き進むように。前へ。
春、だ!