Rainy sunday,そしてスポンジの話。


雨の日曜日だった昨日。
Rainy days and Mondays always get me down...
Carpentersはそんなことを唄って、アンニュイな気分を代弁してほしかった全人類の共感を得た訳だが。
日曜日に目が覚めてカーテンを開けた時に、めいいっぱいの青空が広がっていると気分は迷うことことなく晴れ渡るけど、雨の日はそうはいかない。どちらの気分になろうかと移ろう。get down, or up?
しかし、暗い曇り空に抵抗する気がないときほどなんなくクリアできたりする。そもそも「雨だからget downだわ、そうならないようにしなきゃ」と思うからかえってget downになるような気がしてならない。本当はもっと淡々と生きていけばいいのに、わざわざ「こうなったら大変」と不安がるからそうなるんだ。


ちなみに昨日は、暗い空で雨がしとしとと降り注ぐ上に、ひどい冷え込み。そういう日はもはやget downにもならない。ああ、寒いしおなかすいた、と思ってさっさとスタバに行った。
スタバは、大学時代からなくてはならない場所だ。朝も夜も、変わらず居心地のいい場所を提供してくれる。以前何かで自分がリラックスするための方法を10個もっておくといい、という話を読んで律儀にリストを作ったことがある。その中にもしっかり入っていた。「スタバで、カフェモカシナモンロール。」

とにかく昨日はお昼頃にスタバにて心と体のぬくもり指数を高めてから、雨の中散歩をしながら家に帰った。家路のテーマソングはRainy days and Mondays...ではなく、銀河鉄道999。昨日雨の東京の下町をこの歌を歌いながら歩いてた人は自分しかいないかも知れないと思うと気分がいい。


メンターという言葉がいつから一般的になったのかよくはしらないが、そういう言葉がある。

  • メンター【mentor】

優れた指導者。助言者。恩師。顧問。信頼のおける相談相手。ギリシア神話で、オデュッセウスがトロイ戦争に出陣するとき、自分の子供テレマコスを託したすぐれた指導者の名前メントール(Mentor)から。


私にもメンターになってもらっている先輩(本人もそうと認識している人と私が勝手に思っている人が混じっているが)が何人かいるが、一人から言われたことがある。当然といえば当然のことなんだけど、自分には「これはしたほうがいいのがわかってるのにできないこと」というのがあるなあと感じることがあり、それを治したいという相談をしていた。
その時の私の思考というのは非常にネガで、あまりにネガなのでここには書かないが、とにかくネガなのだ。それを包み隠さずに言うと、メンターは「人間はね、」といった。「人間はね、やだなーと思うことはなっかなかできないんだよ。君はやだなーという側面を見てるよね。そうでなくて、


『これをやったらどんなにキモチイイだろう』


って思ったらできるんじゃない」といった。「ま、すぐには無理だろうけど。すこーしずつね。そう思うようにしてみたらどうだろう。」
イエッサー、メンター。「キモチイイー!」と叫んでいた例の水泳選手のように叫ぶ気分をイメージングします。


雨の日曜日の話に戻そう。
昨日はスタバで「コレが終わったら今日気持ちよく熟睡だよね」リストを作っていた。そしてそのリストの一番上の項目を、昨日はスタバで終わらせた。そして気分よくスタバを飛び出して、銀河鉄道999のメロディに乗りながら家に帰った。ちなみにこの歌は一人だと最後のリピートコーラスでどっちを歌うかが迷いどころ。To the galaxy three nine〜と唄いながら、途中大好きなマツキヨによっていろいろ買い込んだら気分もさらに向上。
大体にしてこの細分化万歳な日本社会において、その最たるものがドラッグストア商品なように思う。なくても困らないんだけど見るとなんだか気になって買ってしまうものがすごく多く、その誘惑に勝てずに週末のたびにドラッグストアに足が向く。昨日は掃除機のごみパック(各社各種対応の優れもの)などなどかって帰り、帰宅するや否や掃除機のごみパックを取り替えていた。不器用な割にはこういうものをちまちまと取り替えたりすることに没頭するのが好きだ。


掃除機はどうでもいいのだが、雨の日曜日。
家に戻って程なく兄から電話があった。
この兄夫婦が今たまごクラブなため、私は今から来年が楽しみで仕方ない。ちょっと前まで確かに私は子供嫌いだった。高校時代は結婚しないわ、子供?ふん。などと意味不明な虚勢をはっていた(誰にだろう)が、それも今は昔。自分で産みたいとはさすがにまだ思わないが、子供がかわいくて仕方ない。長時間になると重いのだけど、あのほこほこふっくりしたカタマリはとても人間業ではない。
とにかく、かわいい兄嫁と、二重でまつげくるくる(マッチ乗りそう)の兄の間に生まれる子供は間違いなくかわいいはずなので、楽しみなのだ。そんな兄から電話があったので日曜に何用かと思うと、「今ネット見れる?」と。マタニティショップの場所を調べろと。携帯でネットが見られるようになって久しいと思っていたが。
とはいえ、まだ10cm未満かもしれない初の姪OR甥の出産準備のために二人で買い物をしている姿は想像するだけでほほえましく、便利屋としてネットに向かった。しょうがないな〜などと言いながら、人間は頼りにされると嬉しいのだ。


そのまま雨が降り続けて、幸せな雨の日曜日の余韻もなく今日、月曜。
さっき朝洗う暇がなかった食器を洗おうとしたら、スポンジがなかった。今朝スポンジを捨てたのを思い出してシンクの下から取り出した。新しいスポンジは、ピンク。Y(ダー)の家に、スポンジがはいて捨てるほどあったのでもらったパックのものだ。
彼(Y)は変な人で、それ程高価でないものをまとめ買いするのが好きだ。まとめ買いは誰でもするけど、割と普通のまとめ買いの範疇を少し超えるのではないかと思う位買う。もう少しだけ抑えると普通だと思うのだが。ちなみに先日はブランフレークがおなかにいいと言って通常サイズよりも大きなファミリーサイズ(?)ものを4箱位買い貯めていた。腸がズタズタにならないか心配だ。その前はVAAMゼリーがおいしいといって戸棚一杯のVAAMゼリーを通販で買っていた。廊下の戸棚を開けると上から下までVAAM。泥棒も卒倒するだろうと思う。


スポンジの話。
以前Yの部屋で台所を片付けていたら、あちこちに色々なものをしまっているので整理した。そしたらあっちからもこっちからも色とりどりのスポンジの買い置きが出てきて、それはそれは面白かった。笑っていたら、使い切れないからあげると言ったので、ピンクと黄色のが入ったパックをもらって帰った。


スポンジの話。
人生2回目の一人暮らしを始めて、あと数ヶ月で2年。引越しのときはてんやわんやで親に目一杯迷惑をかけた。そのときのことを思い出すと、涙もろいのでスクリーンが見えなくなる。引っ越すという私を、父はそうかと言って、母は反対した。私は押し切って引っ越すことが決まったとき、お金を渡された。
仕事を始めてから、毎月家にお金を入れなさいと言われて、毎月給料日後に母にいくらか渡していた。家賃みたいなイメージでいた。
それを、そっくり、その時に渡された。
私は使っていたと思っていたのに。家計として使ってもらっていると思っていた。私の将来のために貯めてあったと言われた。私は、将来そういうことをしてあげられるのだろうか。


引越し当日、新居の片づけを手伝ってもらいながら台所のスポンジは雑菌が繁殖するから月に一度は変えなさいといわれた。「毎月一日とかね、日にち決めておけばいいのよ」と。そうだねー、といいながら、掃除とかちゃんとやれるかな、などと特に深くも考えていない不安をぽつぽつとしゃべっていた。きっと、自分も心細さを感じて不安を口にしていたのだろう。ちゃんとやっていけるのか不安もあった。
その時だったと思う。なんでも淡々とやればいいのよ、と言われたのは。そうじも洗濯も淡々とやることをやっていればいいんだと。


比較的落ち込みやすい性格(立ち直りも速いのだけど)を、今でもよく救ってくれるのが、この言葉。
「淡々と」
スポンジを変えるときに、時々思い出す。


ちなみに、上述のとおり今日変えたスポンジはピンク。
まだこの時間も残業中のYは、きっと「わーい」と楽しんでピンクのスポンジを買ったんだと思う。手品のようにあちこちから出てきた色とりどりのスポンジを思い出すと、いまだに笑ってしまうが。