前に、横に、斜めに、明日に。


体調を壊して一日寝ていた。
起きたら台風一過のような湿度の中太陽が西日になっていた。
十分寝てすぐには眠れない。洗濯機がごとごと音を立てている。


同時平行にいろんなものを薦められる人をうらやましいと思うことが多々ある。
その才がないので気分としてはてんでばらばらの方向に走っている
そり犬をの手綱をひっぱってなんとか言うことを聞かせようとしているような
気分だったりもする。引きちぎられそうになりながら、
走っていない犬を鼓舞することも同時にしたり。


今、目の前に黄緑色のつるん、とした物体がある。
加湿器だ。つるん、てかてか。±0。
来月の今日には、この子は今いる場所から20kmほど西にいる。
そして、もしかしたら私以外に、一緒に住む二人の同居人にも
日々みられるかもしれない。あるいはみられないかもしれない。


化学反応がおきる、ということ。
異質を楽しむということ。


ふと、壁の写真に目がいった。
このポルトガルの坂道には、今誰がどんな思いで歩いているのだろうか。